嫌いな人や苦手な人との付き合い方|性格タイプに分けて分析No1
機嫌のよしあしで態度が豹変し、突然当たり散らす気分屋の人
こんな人物を上司に持つあなたは、ひたすら相手のご機嫌が気になっているはず。機嫌がいい時は何を言っても気にせず笑い飛ばす陽気な人なのに、何かのきっかけで機嫌を損ねるとムッツリとして、何を聞いても「そんなこと自分で考えろ!」と一喝。この理不尽な叱咤に、あなたは打つ手もなく、トボトボと自分の席へ戻ることになるのです。
困ったことに相手は、自分が人に気を遣わせていることに一切気づいていません。まるで二重人格のように、機嫌が悪かった時のことをすっかり忘れてしまうのです。ですから、あなたが相手に突っ返された書類を作り直していると、「おい、これいいじゃないか。なんで俺のところに持ってこないんだ」などと平気で言い、そのことが原因でまた怒り出すという、不条理の連鎖が繰り返されることにもなりかねません。
ちょっとしたミスの報告はもちろん、企画書を提出したり、仕事上の相談に乗ってもらう時でさえも絶対に「機嫌のいい時」に行かなければなりません。ただ、どんなことで不機嫌スイッチが入るかわからないあなたとしては、相手の顔色を見るしか手立てはないのです。しかし、あまり頻繁に様子をうかがいすぎると「人の顔色ばかり気にするな!」と
怒鳴られ、それがきっかけで不機嫌になるかもしれません。そんな微妙なバランスの上に、
ふたりの関係が築かれているのです。
人の評判を聞きつけて、接し方を変える卑屈な人
いつもニコニコと愛想がよく、困っている人のためならどんな苦労もいとわないように見える相手。しかし、この手の人がすべて見かけほど純心で優しいとは限りません。
この人物は周囲の評判に対して非常に敏感で、常に耳をそばだててオフィスの噂話を逐一チェックしています。そして、その噂話で自分の身近な人の評判が芳しくないと、波が引くように音もなく、一方的に関係を解消してしまいます。それがたとえどんなに仲が良かった親友だとしてもです。
入社当時から公私にわたって一緒に行動することが多かった、相手とその親友。その親友が大切なプロジェクトで大きなミスをしでかし、会社中に「あいつ左遷されるらしいよ」という噂が飛び交うと、相手は手のひらを返したように距離を置き始めます。
入社当時からふたりを見ていたあなたが不思議に思って「最近、あいつと一緒にいないね」と声をかけると、相手は意外そうな顔をして「え、だってそんな親しくないし」とやや引きつりながらも、笑顔で否定してきます。「あんなに仲がよかったのに?」とさらに突っ込むと、「そう見えただけでしょ」とあっさり交わして知らんぷりを決め込みます。
こうやって、周囲からダメの烙印を押された人とは一切関わりを断つこの人物は、親しみやすさとしたたかさという八方美人を振りかざし、世の中をうまく渡っていくのです。
部下を「えこひいき」し、一度嫌うと決して認めてくれない人
自分になついてきたり、自分にとって都合のいい部下に対しては、頼りになるいい上司です。が、そうでない人間、つまり自分にとって利益にならなかったり、言うことを聞かない人物に対しては、高くて分厚い壁となって立ちはだかります。
特に仕事面ではその差が歴然と出ます。あなたにとってさほど魅力的とは思えない提案なのに、それを発言したのが相手の考えと一致している人間だと、「うん、それはいい考えだ」と受け入れに前向きの姿勢を示します。が、相手の考えと真っ向から対立するあなたの意見に対しては、まず聞く時の姿勢からして違います。明らかに上の空で、自分と同じ考えを持つ人の時に比べて熱心さが感じられません。しかもあなたが熟慮に熟慮を重ねて考え上げた内容に対しても、「もう少し具体的に例を挙げてくれないと、全体像が浮ばないんだよね」と焦点のぼやけた否定的なコメントのみ。
しかも後日、相手に指摘された通り、具体的な例を挙げて説明しても、何かとケチをつけて受け付けようとしません。
とにかく相手にとっては、仕事ができるできないにかかわらず、自分の価値観と合うことが最大の判断基準になるのです。残念ながら、相手が上司であり続ける以上、あなたがいくら有能であろうと、あなたの出す企画や提案が相手の価値観と違う限りことごとく抹殺され、あなたが会社に対してアピールする場は奪われ続けることになるのです。
自分は無能のくせに、虎の威を借りて偉ぶる人
一見、何の変哲もないサラリーマンに見えますが、こういうタイプに限ってとんでもない食わせ者なのです。相手は並外れた野心を持ち、事あるごとに「いつかトップにのぼり詰めてやる!」と口走ります。
「また始まった」、「何を根拠に言ってるんだ? 」とあなたも周囲の同僚もやや閉口気味です。
しかし、そんな評価は意に介さず、自分の野心を実現させるために、さまざまなコネを使ってあなたが話したこともないような幹部クラスとの接触を試みます。役員たちへの付け届けはもちろんのこと、足を向けそうな店や洋服の趣味などを綿密に調べ、自分の売り込みに東奔西走します。
そのかいあってか役員からの評判はすこぶるよく、異例の昇進の噂まで流れるなど、その計画は着実に実現へ向けて進んでいます。
さらに同僚には、上司や役員など上役とのパイプをチラつかせ、エリート気分。仕事上のトラブル話では「ああ、先週部長と飲んだ時に聞いたけど、どうやら」と平社員は知らない情報を得意気に話し、人事異動の季節になれば、「そうそう、課長がお前のこと言ってたぞ」などと、アドバイスとも脅しともつかぬことを言うなど、まるで上役の使者を気取ります。
実力も統率力もなく、「上部とのパイプがある」というだけなのに、その姑息で卑屈なやり方にどれだけ頭にきても、今や手も足も出せないのです。
自分の失敗を絶対に認めずさらに人に罪をなすりつける人
相手は決断力と行動力でリーダーシップを握り、バリバリと仕事をこなします。が、あなたにとっては、単なる己チューなヤツ。
というのも、トラブルが発生した場合、「プランは完璧だったんだけど」とまず自己肯定し、「予想以上に事態が悪化した」と、勝手な分析結果を出します。そう、相手は決して自分のミスを認めないのです。たとえそれが、ほんのささいな失敗であっても、です。
とにかく相手は自分に非はないということを大々的にアピールしてきます。それどころか、失敗をすべて他の要因のせいにすることにエネルギーを費やす人物です。当然、名指しで他人のことも非難し、「あいつは使えない」「あいつがいたからだ」と、失敗の要因を勝手に挙げ、「次はうまくいく」と話をすり替えて、自分のミスをミスとして認知しません。
その口調があまりにも自信たっぷりなので、何となく周りの人も納得してしまいます。そしてまた同じミスを繰り返すのです。
しかし、いつも一緒に仕事をしているあなたは納得がいきません。「トラブった時のことも考えておくのが仕事だろ」、「あのミスの原因は」など、少しでも相手の弱点を突こうものなら、へそを曲げあらゆる手段で自分に非がないことを主張し出します。挙句果てには、「じゃあ、すべての責任はお前が全部取るってことだな」、「そもそもお前がしっかりしないから失敗するんじゃないか」と、あなたに罪をなすりつけてくるのです。
思い込みが激しく、自分の考えを一方的に押し付ける人
このタイプの上司には自分がしてきたことや納得したことしか信じない堅物が多く、どんなに不便で時間を無駄にしようともやり方を変えないばかりか、人にまで押し付けてくる傾向があります。
その頑固なまでの思い込みは、書類整理の仕方などによく表れます。経費節減の折、無駄をはぶこうと思って得意先リストを上司あてにメールで送ろうとすると、「きちんと出力して持ってきてくれ」と言ってきます。
さらにコンピュータにはデータベースがあるにもかかわらず、相手は目を通した書類に穴を開け、ファイルにとじさせなければ気がすみません。
そのファイルも日付ごとにとじるならまだしも、これからまだ増え続ける書類であるにもかかわらず「あいうえお」順にとじるので、新しい書類が増えるたびにとじ直さなければいけないのです。
どう考えても無意味で非効率な作業に嫌気がさしたあなたが「ファイルの数を増やせばもっと楽にファイリングできるんですが」と提案しても、「そうやってお前たちは経費を使って楽をすることしか考えてない」などと本末転倒なことを言い出します。
さらに「オレもこうしてきたんだから、お前も文句を言わずにやればいいんだ」と聞く耳持たず。相手は書類整理のために営業に回れないことよりも、ファイル数冊を買うことのほうがもったいないと感じる倹約家なのです。
「何でいつも自分だけ」。不幸を背負う悲劇の人
「自分だけが大変な目に遭っている」、「自分だけが大より仕事をさせられている」、「自分だけが頑張っている」。いわゆる悲劇のヒーロー・ヒロインにどっぷり浸かっている人。放っておくと、思わぬところで被害を被る危険性があります。
確かに「本当に」忙しい大や、頑張っている人、重要な仕事を任されている人はいます。
しかし、「本当に」優秀で多忙な大ならグチは言わないし、嫌だとも感じないはず。しかし、相手は実に巧妙に「いかに自分が大変で、世の中の不幸をひとりで背負っている」か、ということを、切実に訴えかけてくるのです。
例えば、あなたがテキパキと仕事を終わらせて帰ろうとすると、相手はすかさず、自分が忙しくて帰れないという状況を話し始めます。そしてその言葉の端々には、まるであなたが仕事をしていないとでもいうような、非難めいたものが織り交ぜられています。
さらに上司の前では、「頑張ってます」「忙しいです」を大々的にアピールし、さりげなく「昨日も夜一人で仕事してたんですが」などと話を切り出すのです。早く帰ったあなたを横目でチラッと見たりしながら。
しかし、いつもそばで一緒に仕事をしているあなたにすれば、「単純に要領が悪いだけだろ、人のせいにするな」と声を大にして言いたくなるのです。
グループワークの成果も独り占め。おいしいところだけ持っていく人
発想が豊かで、いつも意表を突いたものを作り出し、周囲の人をアッと驚かせることが得意な相手。それを、自分で実現してくれれば全く問題はないのですが、相手はそこまでの技量を持ち合わせていません。一緒に仕事をしなければならないあなたにとっては、こんな同僚は悪魔のような人間に見えていることでしょう。
とにかく相手は自分でコツコツ作業をしたり、ややこしい仕事は一切しません。そういうことはすべてあなたに押し付け、実現できるかどうかもわからないひらめきを口にするなど、アイデアを出すのみ。どう考えても相手があなたをいいように使って楽をしているように見えるのです。
しかも、自分の気が向けば突然続けて徹夜したり、気分が乗らないからと5時でさっさと帰るなど、相手に振り回されてあなたのペースは狂いっぱなし。
それでも最後まで仕事をやり遂げればいいのですが、何か新しいことを思い付くと、今のこの仕事さえほったらかしにして、新しいほうへ飛びついてしまいます。あなたは「今の仕事の足場をしっかり固めてからにしてくれ」と頼みますが、到底聞き入れられません。
さらに自分が放り出したプロジェクトでも、成功すると、さも自分だけの手柄のように振る舞い、あなたに対する感謝の言葉のかけらもありません。もちろん上司から褒められ、リーダーシップをとったこの人物のみに向けられます。
女王様気取りで人を小自慢ばかりする自己顕示欲の強い人
相手は全身を自分なりのこだわりファッションで固め、常に自分の価値観内でのパーフェクトを目指しています。
どこに行っても自分が話題の中心にいないと気がすまず、少しでも自分に関係のない話題で周囲が盛り上がろうものなら、ズックと立ち上がり「へえ、興味ないし、どうでもいいわ」と嫌味を言って、さっさとその場を後にします。
この相手と何かの拍子で行動を共にしなければならなくなると、その気疲れは相当なもの。まず相手はあなたを品定めするように、爪先から頭のてっぺんまで鋭い視線で眺め回します。居心地の悪さを感じつつ、その場を何とか繕おうと話題を提供しても、最終的には相手の話を聞かされるだけ。
たいていの場合、いかに自分は見識が高いか、人脈が広いか、誰と飲みに行った、こういう付き合いがあるなどの自慢話。そんな話を延々とされることで、あなたは徐々にコンプレックスを感じ始め、疲れ果ててしまいます。
さらに何らかの理由で相手があなたを敵と見なすと、何とかあなたを屈服させ、その姿をみんなに見せつけようと攻撃をしかけてきます。それは「ヘアスタイルがおかしい」などルックス的なことから、「あまり物を知らないのね」など教養面までさまざま。しかもわざわざあなたの恋人や会社の同僚など、一番ダメージを受けるであろう人の前であなたを陥れ、自分がどれほど優れているかを印象づける算段までしっかり考慮しているのです。
「いい人」でいたいため、自分では何も決断できない人
あなたにぬか喜びをさせた挙句、無駄足を平気で運ばせる得意先の担当者。商談中、相手はあなたの言葉に「あ、いいですねえ」と関心を示しているように首を縦に振り、さも話がトントン拍子に進んでいるかのような印象を与えます。
あなたは重くのしかかっていたノルマ達成を喜び、さっそく上司に報告をした後、すぐに見積もりを先方に持って行こうと連絡すると、「その話なんですが、上司が難色を示しているのでちょっと」。
あなたはどんな理由で商談がご破算になったのか聞き出そうとしますが、とにかく「上司が」の一点張りで埒が明きません。納得がいかないまま上司に報告すると、「またか。いい加減な報告ばかりして、どんな話の進め方をしているんだ」と怒られる始末。
引くに引けないあなたは、後日、先方の上司にも同席してもらった商談の場で前回と同じ説明をすると、相手は神妙な表情をしたり首を傾げたりして、明らかに前回とは違ったリアクションをとります。が、ここで上司が「いいじゃないか。これならぜひお願いしよう」などと言うと、いきなり笑顔になり、いけしゃあしゃあと「私もいいお話だと思っていたんです」とのたまいます。
話がまとまってうれしく思う反面、「前回の打ち合わせはなんだったんだ」と、憤慨しても相手は一応得意先の担当者。手も足も出ません。相手のふがいなさがもたらすあなたへの被害は、日に日にエスカレートしていくのです。
自分からは先陣を切らないくせに人には偉そうな人
「仕事を抱えてて、今ちょっと手が離せない」が口癖の相手。先陣を切って何かをする姿は一度たりとも見たことがありません。リストラによる人員不足で、今抱えている仕事だけでも手いっぱい。
できればこれ以上仕事を増やしたくないのは誰もが考えることです。
が、相手は会社の生き残りをかけるという時でさえ、与えられたポジションや役割だけにしがみついて、他のことは一切しようとしません。特に新機軸を打ち出す時などは、「果たして効果が出るかどうか、疑問だ」とネガティブ発言。
そうやって慎重な意見を言うことで、自分がリスクを犯すことを絶対に回避するのです。もちろんへたに提案して、自分が行かされるのが嫌なだけ。責任を取ろうなんて気持ちは露ほどもありません。
相手も誰かがやらなければいけないとわかってはいるのですが、自分は決してやりたくないため、慎重派の姿勢をとることで他の誰かに巧みに押し付けてきます。そしてあなたが常に相手の毒見役のようなことをさせられるのです。
その結果、成果を上げることができなかった時は、「だから効果は期待できないと言ったんだ」と言ってあなたを批判し、大丈夫だと踏んだら、率先して二番手に甘んじます。そして、自分がやり始めると、都合のいい正義感を振りかざし始めるのです。「お前もやれよ」と。さらに、「こんな時に、見て見ぬ振りをするヤツの気が知れない」と、自分のことを棚に上げるのです