本当の讃岐うどんを食べたいならチェーンじゃダメ
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東京に讃岐うどんのセルフ店があふれ返っている。数年前に地元香川県で讃岐うどんのリバイバルブームが起こり、その余波が東京まで押し寄せたものと考えられる。
以前から、各地に暖簾分けし、それぞれ独自の味やメニューを出している「讃岐屋」などの手打ちうどん店は根強い人気を誇っていた。しかし、最近出店したセルフ讃岐うどん店には眉ツバの店も多い。
その中でも、いちばん目立つのは、駅構内にばたばたと出現した立ち食いソバからの転向派、新橋や神田などビジネス街や繁華街で目立つ飲み屋の二毛作、大手の外食チェーンが、いかにも讃岐から出店したような店名で出しているケースだ。これらの多くは、確かに讃岐からの生麺直送を売り物にしている。
しかし、これが曲者なのだ。
異常に塩っ気が多い、讃岐うどんを食べさせられるケースが多いのではないだろうか。特に、讃岐の製麺所で生地を打ち、機械で麺切りにした直送の生麺を使っている店にこの傾向が強い。
確かに、昔から讃岐地方の小麦と、瀬戸内の塩を原産に、讃岐うどんは発展して、独自の「エッジ」と呼ばれる、切れ味のいい歯ごたえを特徴としている。しかし、あまりにもそれが強調されすぎているのだ
だから、東京でうまい讃岐うどんを食べたいときは、小麦粉の手こね、足踏みから手打ち、麺切りまで自分でやる完全手打ち製法の店か、製麺機で自家製麺している店を選ぶのが賢い方法だ。
ちなみに、地元讃岐では、手打ちよりも機械打ちといわれるものが主流だ。
製麺所を兼ねた讃岐うどんの名店といわれる店でも、多くの客をさばくために機械打ちを取り入れているのが現状だ。
ところで、うどんの場合、生麺が必ずしも、乾麺や茄で麺よりうまいとは限らない。ものによるが乾麺のほうが価格はリーズナブルだし、塩っ辛い保存生麺より、手打ちに近いような感触が楽しめるものもある。また最近は、埼玉県や栃木県など北関東や東北地方のうどんが注目されている。昔から秋田の稲庭うどんや富山県の氷見うどんなどおいしいと評判のうどんも存在している。
うどんを楽しみたいなら、讃岐うどん一辺倒にならないで、これらの店にも足を運んでみるのもいいだろう