日本人は特に注意!空腹で飲むと悪酔いする理由
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空腹で飲むと酔いが一気にまわり、ときに悪酔いすることがあります。その理由はいくつかあります。
胃は大きな袋のような形状の臓器で、内面積がとても大きいです。胃の中がカラだと、アルコールが胃の内面に触れている面積も大きくなります。空腹で飲酒すると、アルコールは早い速度で血液中に吸収されていきます。そのため、血液中のアルコール濃度は一気に上がります。
一気に血液中のアルコール濃度が上がるので、体内ではスムーズに処理されず、血液中にはアルコールがかなり多い状態になり悪酔いしてしまいます。
2.アルコールは分解されますが、その過程は2段階あります。最初に、アルコールが分解されてアセトアルデヒドと呼ばれる物質になります。これが血液中に多量にあると、吐き気や頭痛など不快な症状を現すことがあります。このアセトアルデヒドも肝臓内のアセトアルデヒド脱水素酵素によりさらに分解されて酢酸になり、これはやがて水と二酸化炭素になります。そして尿や汗、呼気になり排泄されます。
しかし、日本人にはアセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素が乏しい人がいます。分解する酵素が乏しいと、アセトアルデヒドはなかなか分解されずに体内に溜まり、吐き気や頭痛が続く二日酔いにもなりやすいのです。
では、何かを食べながら飲酒するとどうなるでしょうか?
胃では、食べたものの消化を一生懸命に行います。胃の働きの優先順位では、消化が先、余力があれば吸収もするという状況です。つまり、胃では消化しにくい食物が入っていると、消化をするだけで精一杯。アルコールを吸収するゆとりはありません。つまり、食べながら飲んだアルコールは、あまり吸収はできません。
そのためアルコールは消化された食物と一緒に胃の次に続いて存在している小腸に送られます。そして小腸で、アルコールはゆっくりと血液中に吸収されます。ゆっくり吸収されれば、血液とともに肝臓を通るときに順々にアルコール分解が進みます。
そして、スムーズにアルコールは分解されて、やがて排泄されれば悪酔いをしないで済むのです。これが気持ちよい酔い方でとどまり、アルコールを心底から楽しめる状態です。急に血液中のアルコール濃度が上がると、酔いやすいだけではなく、肝臓にも負担が大きくなりがちです。胃でも、空腹でアルコールが入っていくことでときには炎症を引き起こしたりします。人によっては、腹痛や下痢、すい臓や胆嚢でも炎症が起こりえるのです。