身近で生活にとても役立つ雑学や疑問のまとめ|社会・乗り物編
contents
近くに同じコンビニチェーンが増殖しているわけ
かつてのコンビニは、酒屋などの商店をコンビニに鞍替えさせて加盟店にするフランチャイズ・チェーン方式が主流だった。その場合、一定地域に同系列の競争店をつくられてしまっては、フランチャイジー(加盟店)が納得しない。だから、ある程度の距離が置かれていた。
ところが、最近のコンビニでは、本部が主導する「ドミナント出店」方式が主流になりつつある。 これは、購買力があると見込まれる地域に物流センターと弁当工場を設置し、それを中心とした一定範囲の円内に何軒かの店をかまえるというもの。
この方式の利点は、何よりも、物流がスムーズに行なわれ、配送トラックのガソリン代が節約されることにある。 その結果、お客は「歩いて10分のセブンイレブンより、歩いて5分のセブンイレブン」という選択をするようになる。そこまで便利である必要はなさそうだが、それでこそ「コンビニエンス(便利)」の看板にかなっている。
警察官立寄所の札があるコンビニに、ホントに警察官はくるの?
銀行の支店、キャッシュ・ディスペンサーだけが置かれたコーナー、そして商店街のはずれにあるコンビニなどには、「警察官立寄所」の小さな看板が立てかけられている。
こうした「立寄所」には「警ら箱」が置かれていて、そこに立ち寄った警察官は、「警ら箱」に納められたノートにハンコを押して、巡回の記録を残す仕組みになっている。 ものものここで疑問。コンビニに警察官が現れて、そうした物々しい手続きを行なっていれば、かなり目立つはず。ところが、そんな光景はめったに見られない。 まるで、都市伝説のようだ。
実際、警察官には「立寄所」を巡回するヒマなどなく、例の看板は、ほとんど見せかけにすぎないという。といっても、気の弱いドロボウなら、この看板を見ただけで二の足を踏むかもしれないので、ネコのオシッコよけのペットボトルよりは、数段、効果があるとはいえるだろう。
映画館で見かけるR-15の「R」って何?
ひと昔前は、ポルノ映画は「18禁(18歳未満は入場禁止のこと)」と呼ばれ、その言葉の響きが、なおさら少年たちの好奇心をそそったものだ。
今では、「18禁」の指定が消えた代わりに、「R15」という指定がやたらに目立つ。これは「Restrected(制限される)Under15(15歳以下)」の略で、「15歳以下は入場禁止」を意味する記号だ。 ときおり「PG12」の指定もあるが、こちらは「Parental Guidance Under12(保護者の同伴なしには12歳以下は入場禁止)」の略。
これらは日本の基準だが、アメリカでははるかに審査がきびしく、17歳以下の観賞を保護者同伴に制限する「R17」や、17歳以下の入場を禁止する「NC17」の指定も多い。 アメリカが過度な暴力描写、セックス描写の子供への悪影響に過敏になっているのは犯罪大国ならではのことだろう。しかし日本で多発する少年犯罪のことを思えば「日本は、まだまだ平和」などといってはいられない。
メールやLINEが正しく伝わる確率はわずか50%
「やっぱり、微妙な問題はメールやLINEじゃなく、電話でやりとりしないとね」というセリフを口にする人は、けっこういる。たしかに、メールのやりとりでは、意味が伝わっても意図は伝わらないということが、よく起こる。なぜだろうか?シカゴ大学のニコラス・エプリー助教授(心理学)が、学生を対象にして行なった実験では、こんなことがわかった。
メールでメッセージを送信した側は、自分が送ったメールやLINEの意図が80%の確率で正しく解釈されるものと思っている。ところが、メールを受信した側が、相手の意図どおりに受け止める確率は50%でしかない。 エプリー助教授によれば、この大きなすれ違いは、「メールやLINEを送る側が、自分の意図することを相手が正しく解釈してくれるものと想定する思い込み」から起こるという。
電話ならば、「いやいや、そういうことじゃなくて」「え、どういう意味?」といったりアルタイムのやりとりがなされるので、同時的に誤解の修正がなされる。一方、メールやLINEは、チャットでない限り、誤解の修正がされないまま伝達される。メール通信が、いわゆる手紙ほど慎重に言葉を選ばないのも、意思の疎通をさまたげる要素の一つといえるだろう。 「メル友」というのは、案外、お互いの誤解の上に成り立っているといえるかもしれないのだ
踏切待ちの経済的損失はなんと1兆5000億円
ピーク時には40分以上開かない「開かずの踏切」は、全国に約6000か所あるという。なぜ線路を高架にしないのかといえば、予算がないからだ。
しかしながら、この踏切待ちの損失時間は、すべてを合計すると、国民一人当たり年間で約5時間に相当するとのこと。その経済的損失は、年間で約1兆5000億円にものぼるそうだ。
また、踏切が遮断したときのクルマのアイドリングが生むCaの総排出量は、年間約74万トン。これは、東京羽区の森林が1年間に吸収する量に相当するという。まったく、「百害あって一利なし」とは、このことだ。それなのに、踏切問題は放置され続けている。鉄道会社には、改札の迅速化よりも、こちらの遅滞をなんとかしてほしいものだ。
通夜も葬儀もない『直葬』を選ぶ人が増えているって
今、通夜や葬儀をはぶいたスピード葬儀が静かなブームを呼んでいる。自宅や遺体の安置所から、そのまま火葬場へ直行するので、その名を「直葬」という。
ここで直葬の流れを説明しておこう。病院で亡くなった場合は、死後24時間は火葬ができないので、葬儀社がいったん自宅、または専用施設の安置所に搬送する。そのあと、通夜も葬儀もなく納棺して火葬場へ直行するわけだ。早いだけでなく、究極の簡略型なので値段も安い。相場は、15万~20万円。 とはいえ、この直葬がブームを呼んでいる理由は「安くて早い」というだけではない。
最近の高齢化で、100歳近い年齢で死ぬ人が増えてきた。その場合は、列席する友人も少なく、喪主も高齢である。そういう葬儀については、何も華々しくする必要はないだろうということで直葬が選択されることが多いのだ。 また、身内だけの簡単な密葬を遺言する人もいれば、生前が無宗教なのに、死んだときだけ仏教式やキリスト教式になるのはおかしいと考え、あらかじめ「葬儀は無宗教で簡単に」と身内に告げておく人もいる。そんな人たちを見送る場合にも、直葬が選択されるようである
配偶者に『不満を感じている』のは、夫か妻か
妻に不満のある夫は、45%。夫に不満のある妻は、66%。第一生命経済研究所が、全国の30~60代の既婚男女800人を対象にして行なったアンケート(2006年)の結果である。
このアンケートによれば、夫に不満を持つ妻は30代がもっとも多く、73%にものぼった。また、「配偶者を信頼しているか?」という問いに対しては、74%の夫が「している」と答えたのに対し、妻のほうは48%だった。
妻が夫に不満を持つ理由としては、「性格全般」が全体の52%を占め、次いで「金銭面の価値観の違い」が32%だった。この結果は、一見して、夫の妻に対する関心が、妻の夫に対する関心を上回っているかに見える。だが、事実は逆で、夫は、妻にさして関心がないから、「性格の違い」も「金銭的価値観の違い」も気にならないのだ。その無関心こそが、妻の夫に対する最大の不満なのかもしれない
今どきは、敬老の日にお祝いされるのは何歳以上?
孫が生まれれば、おじいちゃん、おばあちゃんになるのは仕方がない。
だが、「敬老の日」でお祝いをされる「老人」になるかならないかは、本人の気分しだいである。「まだまだ老人あつかいされたくない」と思う人に対しては、たとえ85歳でも「敬老の日」のゲストにするわけにはいかない。
だが、「敬老会」を主催する各地の地域団体にとっては、本人の気分しだいというわけにはいかない。「敬老の日」のお祝いの対象になる住民には補助金を出す制度があるので、何歳以上が「老人」なのかを決めておかなくてはならないからだ。たとえば、栃木県那須塩原市の自治会が主催する「敬老会」は、75歳以上が対象になっている。
最近は老人扱いされるのを嫌う人が増えていて、年々参加者が減ってきている状態だという。祝う側の目を向ければその日だけ敬うというのもあまり好ましくない感じはしない。そろそろ敬老の日という名称そのものを考えなおしてもいいかもしれない。
横断歩道からタテの線が消えた意外な理由
かつては、横断歩道には、ちょうどハシゴの両側の材みたいに、歩行方向に沿って縦の白線が引かれていた。ところが、最近の横断歩道には横の白線しかない。ハテ、あのタテの線は、いったいどこに消えたのだろうか?
国土交通省道路局企画課の話によれば、従来型の横断歩道では、タテとヨコの白線で作られるスクエア(四角)が生まれるのだが、このゾーンに水がたまり、雨の日にはクルマのスリップをまねきやすい。そのため、最近では、横断歩道にはタテの線を引かないことになったのだ。
日本には今、どれくらいのお金が流通している?
現在、日本に流通しているお金の総額は、どうすればわかるのだろうか?
その計算式は意外に単純で、〈日本銀行券発行高+貨幣流通高〉によって算出される。 2008年3月末を例にとると、日本銀行券の発行高は「81.4兆円」、貨幣流通高は「4.6兆円」。しめて、約86兆円ナリ。
では、日本銀行券(お札)発行高の81.4兆円は、お札の枚数ではどれくらいになるのだろうか? その内訳は一万円札が約74億枚、五千円札が約5.8億枚、二千円札が約1.3億枚、千円札が約38億枚、旧五百円札が2.2億枚。合計で、約121億枚である。
これは、縦に積み重ねれば富士山の300倍の高さになり、横に並べれば地球を40周以上する長さになる。これだけのお金が流通していながら、自分のところに回ってくるお金が少ないような気がするのは、誰かがこの流れをせき止めているから?
お台場の「お」は丁寧語なの?
港区から品川区、江東区にまたがる巨大再開発地区の「お台場」は、オシャレを気取りたいカップルのデートスポットとしては、少々大衆化が進みすぎてしまった感がある。
なにしろ、フジテレビ周辺のレストランにはランチ仲間のオバサマ・グループが陣取って、大声でご近所の噂話をしているのだから。そんな「お台場」だが、住所は「台場」。だとすれば、「お台場」の「お」は、丁寧語なのだろうか?
しかし、さにあらず。幕末に、江戸幕府が大名に命じて、この場所に黒船にそなえる砲台を設置させた。そこから、当時は「砲台場」と呼ばれた。その「砲台場」が音転化して「お台場」となったしだい。 今でも、海岸線をレインボーブリッジのほうへ歩いていくと、砲台の趾にお目にかかることができる。
@に隠された意外に深い意味って?
アメリカには、「@$10」という表示がある。「この商品は、1個につき10ドル」とい う意味だ。
このように、@(アットマーク)は、もともとは、商品の単価を表す記号として使われていたもの。 語源は、英語の「AT」。ご存じのように、~において、~におけるなど、時間場所、年齢などへの「所属」を表置詞であるメールアドレスでは、ユーザー名とドメイン名(国名や団体名など)を区切る記号として@が使われているが、そこでは、「ドメインに属するユーザー」の「属する」という部分を表している。
つまり、英語の「AT」と何ら変わりのない用法で使われているのだ。たんなる区切りの記号ではなく、それなりに文法が意識されていたわけである。
デジカメは三洋電機の登録商標だった
デジカメ全盛の今では、一流のプロカメラマンまでがデジカメを使っているほど。 しかし、この「デジカメ」という言葉、ある企業の登録商標なのだ。
その企業とは、1994年に、いちはやくデジカメ産業に参入した三洋電機。98年には、早くも商標を登録している。ちなみに、「動画デジカメ」という言葉も、同社の登録商標だという。
この言葉を同業他社が使用する場合、事前に三洋電機の了承を得るしきたりになっているが、三洋電機としては、この市場が広がればそれでいいと考えているので、「デジカメ」の商標登録を持っていることは、とくに世間に向けて、主張していないという。ドンと構えたその姿勢にはいかにも余裕が感じられる。
これまでに、人類が掘った金の量は何トンになる?
金は、人類にとっての永遠の宝である。一攫千金への夢が、四世紀カリフォルニアのゴールドラッシュを生んだのは、あまりにも有名な話だ。
現在、世界の地下には約9万トンの金が眠っており、そのうち採掘して採算に合う4万2000トンは、なんと17年後には掘りつくされる見込みだという。金の希少価値が、あらためてわかろうというものだ。 人類が8000年前に金と出合ってから、これまでに掘ってきた金は15万トンに相当するという。
オリンピックの競技用プールの3杯分と聞けば、たいそうな量に感じるが、ツタンカーメンの棺、奈良の大仏を飾る黄金から、結婚指輪、電子工業部品に使われる金までをひっくるめた量であることを思えば、むしろ、その少なさに驚かされる。 ダイヤモンドと同様、少ないことに価値があるのだから、当たり前といえば当たり前のことなのだが……。
ロイターって、通信社じゃなかったの?
以前は、海外ニュースを見ていると、「ロイター通信」という言葉がよく出てきた。それもそのはず。ドイツ生まれのポール・ジュリアス・ロイターによって創立されたイギリスの通信社ロイターは、アメリカのAPとUPIが生まれるまでは世界最大の通信社だった。1984年に株式を公開後、ロイター通信は、次々と通信社を買収して事業を拡大したのだ。
ところが、報道・通信のビジネスだけでは大所帯を支えきれなくなり、業務の主力を経済ニュースや金融情報サービスに切り替え、世界各国に、金融・経済情報をリアルタイムで配信するようになった。さらに、2004年にはアメリカの金融情報会社を買収するにいたり、現在は売り上げの大半を、金融情報サービスで稼いでいるそれでも、通信社としての面目は維持しており、2002年12月期の売り上げ(35億7500ポンド)のうち、12%は「ニュース配信」が占めているという。今でも報道機関としての顔を維持してはいるのだ。
スパムメールの採算分岐点とは?
毎朝、メールをチェックしている人のなかには、スパムメールの削除が日課になっている人も多いはずだ。 中身は、圧倒的にアダルト系と出会い系が多い。どこかのポイントをうっかりクリックしたり、個人情報を入力したりしてしまうと、どういうワケか契約が成立したことになり、以後、「○日までに××円、お支払いください」などという脅迫メールが断続的に送られてくる。
いまどきはそんなスパムメールにひっかかる人はそういないはずだが、それでもスパムメールが根絶されないのは、やはり、だまされる人が確実にいるからなのだ。 一説によると、スパムメールは返信率が0.001%を超えると、ちゃんと利益が出るという。
たとえば、アダルトサイトを運営している業者が、3万円の課金を請求することを目的に50万人にスパムメールを送った場合、その0.001%、つまり5人が素直に3万円を支払えば、それだけで15万円。 すると、メールアドレスの買い取り費用やプロバイダー料金などの初期投資分は回収できてしまうという。 あとは、この無差別大量送信を何度もくり返せば、確実に利益が出るというわけである
好きなサイトが見られる会社と見られない会社があるって?
トヨタ自動車では、職場のパソコンを使って「仕事と関係ない」サイトを閲覧しようとすると、「このページは利用制限されています」との警告が画面に表示される。 アクセスに一定の制限を与えるフィルタリングソフトの効果である。
証券会社が加盟する日本証券業協会でも、このソフトの導入によって、アダルト、スポーツ、飲み屋情報、出会い系サイトなどへの仕事中のアクセスができなくなった。労務行政研究所が、全国4057社を対象に行なった調査(2006年2月)によれば、職場のパソコンの私的利用に制限をもうけている会社は、ほぼ半数の48.9%に達している。
一方、三菱商事などでは、「社員一人一人の良識にまかせている」として、いっさいの制限をもうけていない。ウェブサイトを使って広く速く情報を集めるのは、商社マンにとって必要不可欠でると考えられているようだ。
2007年は、亥年じゃなくてブタ年だった
「イノシシ年?それ、間違いよ・中国では、イノシシ年じゃなくてブタ年。 干支をつくったのは中国なんだから、それが正しいでしょ。
ある中国人女性が、真顔でそんなことをいった。まさか冗談だろうと思っていたら、「2007年はブタ年」だったという話には、ウソはなかった。中国で生まれた十二支では、「亥・猪」は猪ではなくブタを意味するのだ。 干支の概念が中国から伝来したとき、日本には養豚が根付いておらず、もっぱら野生の猪を狩って食べていた。そんなことから、野生の「猪」が「猪(ブタ)」と混同されるようになったわけだ。
西遊記に登場する猪八戒は、ブタなのに、なぜ「猪八戒」なのだろうと思っていた人は、たった今、その疑問を解いたことになる。 ちなみに、干支の本場・中国では、ブタは金運の象徴とされている。「なんだ、ブタなのか」とガッカリしてしまった亥年の人は、それで気を取り直してほしい
信用金庫はなぜ「金庫」と呼ばれるか
「銀行」という言葉は一説に、福地源一郎が『会社弁』(明治4年)のなかで、バンクの訳語として用いたのが始まりといわれている。日本の金融機関には、 いわゆる銀行(普通銀行)のほかに、中小企業を対象にした信用金庫というのがある。信用金庫の取り引きの中心は地域の中小会社や商店などだが、業務上は銀行と基本的には同じである。
それなのにどうして信用銀行ではなく、信用金庫という名前になったのか。信用金庫の前身は信用組合。それが「金庫」という名前になったのは昭和26年。同年6月に信用金庫法が公布され、はじめは「銀行」の銀をとって「銀庫」という案もあったらしい。だが結局は「金庫」に落ちついた。
「銀」よりも「金」のほうが人々の注目を得やすい。また地域の金融機関として銀行との違いを強調するためには、別の名前のほうがいい。そんなところから金庫という名が選ばれたという。
「参拝者△△万人」を数える方法とは
正月三が日の参拝者の数や、各種行事に集まった人々。すなわち人出が新聞やテレビなどで発表される。たとえば毎年、正月三が日の初詣の人出がもっとも多いのは明治神宮で、何百万人という数になる。
では、その数はどのようにして数えているのか。一人一人をカウンター機で数えている~ それでは数えるのが大変である。参拝者などの人出を数えているのは、その地域の警察と行事の主催者で、ふつうは1歩あたりの人の混み具合いと、神社などのスペースから割りだす。
肩がぶつかる程度の混み具合いであれば、1歩あたり6~7人。電車のラッシュ並みの状態であれば、1があたり10人ぐらい。まずlrあたりどれくらいの人数かを調べる。
それに人が移動するスペース、入口から出口にたどり着くまでの平均所要時間を掛け、さらにそうした状態が繰り返される回数(いわゆる回転率)を掛ければ、人出の数(概算)が分かる。
大坂の「坂」はどこにあったのか
大阪は昔は「大坂」と書いていた。「大阪」
と書くようになったのは明治時代になってからである。ところで、その「大坂」の「坂」はどこの坂のことをいったものなのか。
明応5年(1496)の蓮如の手紙に「摂州東成郡生玉之庄内大坂……」とあり、これが「大坂」という地名の文献上の初見とされている。それまでは「小坂」と書き、それを「おさか。おざか」と呼んでいたようである。
現在の大阪城があるところに、蓮如が開いた石山本願寺があった。この寺は天正8年(1580)に焼失したが、石山本願寺があった場所は上野台地の北端に位置し、東西方向に坂が多かった。
「大坂」という地名はそこから生まれたようである。すなわち「大坂」は、もともと石山本願寺のあたりをいう地名であった。
天正11年、豊臣秀吉が城(大坂城)を築き、その城の西側に城下町が形成されていくと、「大坂」はその町全体を指す地名となっていった。
世界でもっとも多い苗字とは
日本人の苗字の中で、もっとも多いのは「佐藤」で、次が「鈴木」。以下、「高橋」「田中」「渡辺」「伊藤」「中村」と続く。そのベストワンの「佐藤」は、全国で200万人近くいるといわれている。
英語圏の人々の苗字の中でもっとも多いのは「スミス・smith」である。ただし、その数は明らかでない。ちなみに「smith」は鍛冶屋という意味。西欧人の苗字には職業名に由来するものが多く、「テーラー・taylor」(仕立屋)、「ミラー・miller」(粉屋)、「ブッチャー・butcher」(肉屋)などもそうである。
では、世界でもっとも多い苗字は何だろうか。それは中国人の「張」である。中国には500あまりの苗字しかなく、「張」を筆頭に「王」「李」「趙」の四つは「四大姓」と呼ばれている。「張」姓は中国の総人口の1割あまりを占めるといわれている。つまり、1億2千万以上の人が「張」姓であり、それは日本の総人口に相当する。
タンクローリーが決まって円筒状であるわけは?
同じトラックの荷台に乗せるなら、円筒状よりは直方体のほうが容量が大きい。それなのに、なぜ、タンクローリーのタンクは円筒状なのだろうか?
その理由は、二つある。
一つは、物理学上の理由だ。円筒形は四角形にくらべて、圧力が均等に分散する。つまり、円筒形のほうが四角形よりも強度が高いのだ。
たとえば、四角形で円筒形と同じ強度にしようとしたら、タンクのアルミの厚さを倍にしなければならない。
だが、タンクが重くなると基準総重量の問題が出てきて、かえってガソリンの積載量が少なくなってしまうわけだ。
もう一つは、運転上の理由である。
タンクローリーのタンクは、後ろから見ると縦につぶれた楕円形をしている。これは、なるたけ重心を低くして、運転をしやすくするためである。
すなわち、タンクローリーのタンクがあの形をしているのは、さまざまな角度から検討したうえで、円筒状がもっとも合理的だからである。
『スイカ』のセンサーが傾いている理由は?
JR東日本の改札カード「スイカ」は、センサー部分の上に、軽くカードを触れるか、かざすだけで改札が通れる。だが、改札機に仕掛けられたセンサーの角度に、ちょっとした秘密があるのをご存じだろうか?
この改札機、試作品の段階では、センサー部分に0.2秒ばかりカードをかざす感覚をつかめないモニターが多く、なかなかスイスイというわけにはいかなかった。
センサー部分をくぼませたり左右に傾けたりと試行錯誤がくり返されたが、最終的に、センサー部分を光らせ、手前にビミョーな角度で傾ける形に落ち着いた。その角度は、13度。
今度スイカを使って改札を通るときは、その13度の傾きに注目してみてほしい。大きなアイデアというものが、じつに微々たる差から生まれるものであることを実感できるはずだ。
JR東日本が発行するスイカの由来とは
軽く触れるだけでスイスイと自動改札機を通れるカードなので、「スイスイカイサツ」を短縮して「スイカ」となった。その愛称にちなんで、JR駅の構内に設置された「スイカ」の自販機には、果物のスイカを描いたシールが貼られている。
JR東日本の広報によれば「スイカ」は、「super urban intelligent card」(都会生活を助ける超かしこいカード)の略語でもあるらしい。こちらは「スイ力」からこじつけた英語だという。しかし、せっかく「スイカ」ですっきりとキマッたんだから、そちらのややこしい英語はやめておいたほうがよかったのでは?
エスカレーターの速度は一定のスピードではない?
以前は、エスカレーターの速度は、建築基準法で毎分30メートルと決められていた。だが、最近の法改正によって、必要に応じて速度を速めることができるようになった。
たとえば、深い場所にある地下鉄駅などでは、朝夕のラッシュ時には、エスカレーターを毎分40
メートルの速度で動かしていることもある。
とはいえ、エスカレーターは、速く動けば動くほどいいというものではない。
エスカレーター業界では、お年寄りや子どものためを考えて速度を落とすことも考案しており、最近では、むしろ毎分30メートルよりも遅いエスカレーターのほうが主流になっている
高速道路のガソリンは割高がうそになりつつある理由
2003年に、「イラク問題」が招いた原油の高騰は、過酷な価格競争を引き起こした。
その結果、低価格を守りきれないガソリンタンドは、次々とつぶれていった。
一方、高速道路のガソリンスタンドは、他店との競争がないぶん、無理な価格の引き下げをする必要がない。
したがって、高速道路のガソリンは割高になるとの印象が、ドライバーの間には広まっていた。ところが、原油があまりにも急騰した場合は、思わぬ逆転がもたらされる。というのは、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアにあるガソリンスタンドには、月々のガソリン価格の「上限」が定められているからだ。
たとえば、2006年の8月には、都内のガソリンスタンドでは、ガソリンが1リットル当たり140~150円に値上げされたが、高速道路のガソリンは137円にとどまっていた。
かくして、06年夏の帰省ラッシュにおいては、高速道路のガソリンスタンドに行列ができるという珍現象が生まれたのである
馬は3本足で立ったまま眠る
馬について、あなたはどれだけご存知だろ
うか。
馬は人間と親しい動物の一つだが、彼らの行動について知っている人は意外と少ない。
たとえば睡眠。馬は1日にどれくらい眠るのかお分かりだろうか。馬の睡眠時間は約4時間。しかもそれは合計した時間で、彼らはこま切れに眠る。4時間のうち、3時間前後は浅い眠りで、熟睡するのは約1時間。
また馬は立ったままで眠る。その際、馬が3本足で立っていることは意外と知られていない。馬はもちろん4本の足を持っている。
ところが立って眠っているときには、いずれか1本の足はいつも膝やつなぎ(足首)のあたりを軽く曲げて休ませ、3本の足で体重を支えている。
横になったり、腹ばいになって眠ることもあるが、そうして眠るのは1時間程度。立って眠る時間のほうが長い。横になって眠るのは深い眠りのときで、馬にとっては横になって眠るよりも立って眠ったほうが楽なようである。
自分で車を運転するとなぜ酔わないのか
車に乗ると、いわゆる乗りもの酔いをすることがある。しかし自分で車を運転しているときには酔ったりすることはまずない。それは一体なぜなのか。
乗りものに酔うというのは、体のバランス感覚が乱されることによる。人間のバランス感覚は、耳の中にある前庭と呼ばれる器官と三半規管が受け持っている。
その二つの器官、そして目や体の部位が感じとった情報が自律神経を介して脳に伝えられ、そこから全身に指令が出て、バランスを保っている。
ところが日ごろあまり経験しないような動きが体に加わると、それが前庭や二半規管に作用し、異常な刺激となって自律神経に送られる。その結果、自律神経に失調をきたし、乗りもの酔いが起きてしまう。
けれども、自分で車を運転していると、次にどのような動きや揺れがあるかが予測できるので、体がその動揺をうまく受け入れ、自律神経も正常に働く。だから酔わないというわけである。