スポーツ選手を陰で支えている関係者の詳しい解説
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日本全体で各競技のレベルを上げるのに重要なしごとスポーツにかかわる仕事として、まず、選手に直接かかわる仕事をみてみましょう。
「選手」と言っていますが、プロに限らずスポーツをする人全体を指しています。「選手のコーチ・指導にかかわる仕事」の前半として、選手を枝術面、フィットネス面、メンタル面でサポー卜する仕事です。
2004年のアテネオリンピックにおける日本人選手の大活躍に象徴されるように、日本では全国レベルであらゆるスポーツ競技の振興、向上を図り、実績を出してきています。それは、都道府県はもちろん、各市区町村、民間スポーツクラブなどでの選手の掘り起こし、技術アップの努力のたまものでしょう。
この地域のスポーツの場では、多くの人が選手の育成やそれに関連するサポート事業で活躍しています。
ここでは「スポーツトレーナー」「スポーツプログラマー」「アスレティックトレーナー」「フィットネストレーナー」などを詳しく紹介します。
それぞれ公的や民間の資格になっているが、スポーツの現場では、資格のあるなしにかかわらず、皆熱い気持ちで選手のコーチ指導にかかわっていく必要があります。
なかには「仕事」として考えると成り立ちにくいものもあるが、単なるボランティアにはないスキルで、一流の選手を作りあげ、その結果としてスポーツ全体の底上げをしているのがこの分野の仕事なのです。
スポーツトレーナー
選手や一般の人に対し、選手の肉体をより効率よく鍛え、精神力をアップさせるために筋肉トレ一ニングなどを指導する。
スポーツプログラマー
公共スポーツ施設や各種教室などさまざまな年齢や性別の人に、スポーツプログラムの提供や各種トレ一ニングの基本指導などをする。
アスレティックトレーナー
スポーツ選手の健康管理、傷害予防、スポーツ外傷の応急処置、アスレティックリハビリテーションなど、スポーツ選手の健康面をみる。
フィットネストレーナー
主に民間のスポーツクラブやフィットネスクラブにおいて、各種スポーツを行う人に対し、各種トレーニングの基本指導などを行う。
競技向上指導者
試合技術を磨く、記録を伸ばすなど、スポーツ選手の育成を目的とした指導(コーチ)で、A級、B級、C級の3つのランクがある。
小、中、高校体育教師
体育を中心として、児童生徒の知・徳・体、および豊かな人間性を育てる。小学校の場合は全科目を、中一高校の場合は専門科目を担当する。
単に教えるだけでなく選手の成長を喜べる人間性を
選手のコーチへ指導にかかわる仕事のなかでも、各スポーツ競技そのものを直接教える仕事を紹介します。
2.
いわゆる「インストラクター」と呼ばれる仕事で、ここでは「スイミングインストラクター」「エアロビクスインストラクター」「テニスインストラクター」「スキーインストラクター」「スキューバダイビングインストラクター」「ゴルフティーチングプロ」「ポクシンクインストラクター」を紹介していきます。もちろん、これ以外にほとんどのスポーツでインストラクターの活躍の場は与えられています。
基本的にインストラクターは、ある程度自分でもそのスポーツに精通していなければならないので、選手経験者が圧倒的に多いのが特徴です。しかし、選手経験は必須ではなく、プレーヤーとしての実がなくても、インストラクターとしては一流の人も数多くいます。
これは、インストラクターという仕事が、ただスポーツをやるだけではなく、コミュニケーション能力を使って習う人をその気にさせ、持っている能力を100%引き出す仕事だからです。特に小学校に上がる前から習う人が多いスイミングのインストラクターなどは、単に水泳好きでは務まりません。
技術面はもちろん、肉体面、精神面でも子供の成長、選手の成長にやりがいを感じることができないと難しいし、このことは、選手をコーチ・指導をする仕事、すべてに通じることです。
スイミングインストラクター
子供から大人まで、選手になりたい人から健康のためにやる人など、それぞれ習う人の目的に応じて、スポーツクラブなどで水泳を教える。
エアロビクスインストラクター
楽しく体をシェイプアップするために、全身に酸素を送りながら行う有酸素運動のダンスなどを通して、心身の健康増進を図る。
スキューバダイビングインストラクター
安全に海に潜る楽しさを多くの人に広めるためにダイビングの技術、器臭の扱い方などを実地訓練を通して教えるプロ。
ゴルフティーチングプロ
技術面はもちろん、心理的要因が大きいゴルフの練習者が上達できるよう、各個人の身体的な特徴、資質に合わせ適切な指導を行う。
ボクシングインストラクター
ポクシングを通じ、身体能力の向上、基礎トレ一ニング、リング上での技術などをマスターさせる。ビギナーから上級者までを指導する。
スポーツ競技で選手がもつ力を十分発揮できるように管理
肉体を使うスポーツをやるには、体の管理、ケガの予防、痛めたときのメンテナンスが重要になります。この選手の身体管理やアドバイスをするのが、ここで紹介する仕事です。
「理学療法士」「健康運動実践指導士」「カイロプラクタ一」「柔道整復師」「はり・きゅう師」「栄養士」といった資格に基づいた仕事です。これらの仕事が資格制になっているのは、人の体に接触したりして、直接身体にかかわるからであり、それだけに責任の重い仕事といえます。
人の体は、それぞれに体質や持っているクセがあり、それが一流の選手を作る基になったりする。しかし、その歯車がちょっとでも狂うと記録の伸び悩みをはじめとして、さまざまなマイナス要因が出てきて快適にスポーツができなくなります。
そんなとき、これらの専門職の人たちがそれぞれの立場で、選手の相談に乗り、アドバイス、施術を加えることによって、選手の肉体をその競技でいちばん力を発揮できるように修正していく。どんなに優秀な選手でも、自分だけで勝手にやっているとさまざまな障害が体にあらわれてくる。そんなときに力強い味方となるのがこの仕事です。
また、メンタル面が強く作用する競技スポーツにおいて、各専門分野で肉体的なメンテナンスをしながら、精神面でもサポートできることが、この仕事での優秀な人といえる。そういった意昧では、豊かな人間性が必要になってきます。
医学療法士
本来持っている動作能力を回復させるために、体操、マッサージ、電気刺激、温熱などの物理的手段を加えたりする「理学療法」を行う。
健康運動実践指導士
幅広い年齢層にスポーツ愛好者が増加している昨今、健康づくりのための運動を個人の身体的状況に応じて適切に指導していく。
カイロプラクタ一
手枝をメインにして、理学的療法、運動プログラム、日常生活動作・姿勢の改善、栄養指導などを行い、選手の体をメンテナンスする。
柔道整復師
国家資格で、打撲、捻挫、脱臼、骨折など応急処置や補助的治療を行う。体が本来もっている自然治癒力を最大限に生かすのが特徴。
はり、きゅう師
はり・きゅう師は、はり・きゅう治療により、自然治癒作用を活性化させ、身体の機能を回復させる専門家。はり師は、金属針を使って経穴(つぼ)に刺激を与え、きゅう師は、温熱刺激により、患部の痛み.張りを緩和する。
はり師は、金属針を使って経穴に刺激を与え、筋肉を和らけることで神経の興奮を鎮めるなど、痛み・張りを緩和する治療を行う。副作用がないといわれ、関節炎などの痛みも緩和できることから、スポーツ選手などからの依頼も増加。
きゅう治療は漢方療法のひとつで、もぐさを体表の経穴に置いて熱し、温熱刺激により、神経を興奮または抑制さる。自然治癒作用を活性化させ、身体の機能回復をサポート。身体に関する幅広い知識と技術が必要な仕事だ。
国家試験を受験
養成施設では、「はり師・きゅう師」の2資格、あるいは、それに「あんまマッサージ指圧師」も加えた3つの国家試験受験資格を得ることができる。また、「はり師」と「きゅう師」の国家試験は同時に受験することが可能。身体全般、とくに筋肉'関節などに対する研究心、根気の強さなどが要求される分野だ。
手先が器用で研究心旺盛なタイプ
スポーツ選手などの身体機能に興味がある人が向いている。スポーツ番組を見ているときに、「あの選手、痛がっているけど、どうしたのかな?」「どの部分を傷めたのかな?」と、研究心旺盛なタイプ。
また、体育のあとなどに、つい友人の肩を揉んであげたり、足をマッサージしてあけたくなる人も適している。肉体に関して好奇心が強く、接触に人一倍、積極的かつクールで、同時に手先の器用さも求められる。
栄養士
資格を生かし、スポーツ選手の体調管理に食事面でサポートする。栄養管理・食に関してのアドバイスの専門家。