日常生活で知ってたら役に立つ知識や雑学のまとめ
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世界でもっとも多い苗字とは~
日本人の苗字の中で、もっとも多いのは「佐藤」で、次が「鈴木」。以下、「高橋」「田中」「渡辺」「伊藤」「中村」と続く。そのベストワンの「佐藤」は、全国で200万人近くいるといわれている。
英語圏の人々の苗字の中でもっとも多いのは「スミス・smith」である。ただし、その数は明らかでない。ちなみに「smith」は鍛冶屋という意味。西欧人の苗字には職業名に由来するものが多く、「テーラー・taylor」(仕立屋)、「ミラー・miller」(粉屋)、「ブッチャー・butcher」(肉屋)などもそうである。
では、世界でもっとも多い苗字は何だろうか。それは中国人の「張」である。中国には500あまりの苗字しかなく、「張」を筆頭に「王」「李」「趙」の四つは「四大姓」と呼ばれている。「張」姓は中国の総人口の1割あまりを占めるといわれている。つまり、1億2千万以上の人が「張」姓であり、それは日本の総人口に相当する。
1.世界中で一番よくうたわれている歌は~
世界でもっとも古い歌はエジプトでうたわれていた「シャドウーフ」という歌だといわれている。この歌は古代エジプト人が灌漑用にナイル河の水をシャドゥーフと呼ばれるはねつるべで汲みながら口ずさんでいたもので今でもなおうたわれているそうである。
では、世界中で人々にもっともよくうたわれている歌は何だろうか。
それをつきとめるのはなかなか難しく、調べようもないが、一説にそれは「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」ではないかといわれている。この歌はもともと「グッドモーニング・トゥオール」という曲名で、1893年に発表されたもの。
米合衆国ケンタッキー州に住むミルドレッド・ヒルが作曲し、その妹のパティ。ヒルが作詞した。誕生日のお祝いの歌として、これをうたう人は多い。365日、毎日、しかもそれは一人や二人ではなく、世界中で大勢の人がこの歌をうたっているはずである。
花の色で一番おおいもの
花にはいろんな色のものがある。花の色といったら、あなたはどんな色を思い浮かべるだろうか。赤、ピンク、黄、紫、白など、花の色はそれこそいろいろある。
全国の花屋にたずねたある調査によれば、消費者がもっとも好む花の色は「ピンク」で、全体の56%を占め、次いで「赤」「紫」の順になっている。それでは自然界では、どんな花の色がもっとも多いのだろうか。熱帯地方には原色の花が多いが、日本の自然のなかではじつは「白」がもっとも多い。意外と思われるかもしれないが、「白」が全体の32%前後を占めている。次に多いのが「黄」で、30%ぐらい。
3位は「青色から紫色」で23%前後。すなわち、自然界の花の8割以上はこの3色でいろどられている。
花屋でもっとも人気があるのは「ピンク」あるいは「赤」などの花だそうだが、それらの色の花は品種改良種に多く、自然界ではピンクや赤の花はそんなに多くない。
「参拝者△△万人」を数える方法とは~
正月三が日の参拝者の数や、各種行事に集まった人々。すなわち人出が新聞やテレビなどで発表される。たとえば毎年、正月三が日の初詣の人出がもっとも多いのは明治神宮で、何百万人という数になる。
では、その数はどのようにして数えているのか。一人一人をカウンター機で数えている~ それでは数えるのが大変である。参拝者などの人出を数えているのは、その地域の警察と行事の主催者で、ふつうは1歩あたりの人の混み具合いと、神社などのスペースから割りだす。
肩がぶつかる程度の混み具合いであれば、1歩あたり6~7人。電車のラッシュ並みの状態であれば、1があたり10人ぐらい。まずlrあたりどれくらいの人数かを調べる。
それに人が移動するスペース、入口から出口にたどり着くまでの平均所要時間を掛け、さらにそうした状態が繰り返される回数(いわゆる回転率)を掛ければ、人出の数(概算)が分かる。
学校のチャイムの由来
ロンドンの中心地に位置するイギリスの議会(国会議事堂)。それのある場所は、もともとはウェストミンスター宮殿があったところで、議事堂のそばにビッグ・ベンと呼ばれる時計塔がある。この時計は巨大な鐘をそなえており、ヘンデルが作曲したといわれる「ウェストミンスターの鐘」のメロディーをかなで、時刻を知らせてくれる。
ところで、日本の小学校や中学校などで用いられているチャイムは、ビッグ・ベンの鐘のメロディーと同じである。どうして同じなのか。
戦後、東京。大森のある中学校の先生が、始業・終業の時間を知らせるベルの音があまりにうるさいことから、それに代わるものはないものかと考えていたところ、友人が戦時中に臨時ニュースに使われていた鐘の音はどうかとアドバイス。その鐘の音にぴったりなメロディーとして選ばれたのが「ウェストミンスターの鐘」で、それがやがて全国の学校に広まったというわけである。
幽霊の額にある三角形のもの
芝居や映画に登場する幽霊、あるいは絵に描かれる幽霊はたいてい白い着物を着ていて、額に白い三角形のものを当てている。
あの三角形のものには、どんな意味があるのか。どうして幽霊はそんなものをつけているのか。
あれは平安時代に「額鳥帽子」などと呼ばれ陰陽師や法師などがその儀式を行なった。清少納言の「枕草子』に「見苦しきもの法師・陰陽師の、かみかぶりして祓へしたる」(法師で陰陽師でもある者が紙冠をして、お祓いをしているのは見苦しいものだ)とある。
中世以降になると、死者が冥土を旅するときに邪悪な霊や鬼などにとりつかれないようにと、亡くなった人の頭に三角形のものをつけるようになった。幽霊は成仏できない死者がこの世に現われた想像上の姿である。だから亡くなった人と同じように、三角形のものをつけているわけである。
「幸せがいっぱい」という名の病気
いま、病気の種類は20万とも30万ともいわれている。さらに分類しかねるものまで含めると100万を超えるらしい。願わくば一生、病気とは無縁でいたいものだが、なかなかそうはいかない。どんな健康な人でも、ときには風邪をひいたり、歯が痛くなったりする。
ところで「幸せがいっぱい」という病気をご存知だろうか。正しくは病名というより症状名であるが、「多幸症」という名の病気がそれである。
名前だけから判断すると、かかってみたくなるような病気だが、多幸症とは身の回りがすべてうまくいっていて、自分は幸せだと思いこみ、少し現実離れした状態にある症状をいう。実際は幸せではなく、本人がただそう思っているだけである。
これは年をとったり、アルコール中毒などのために脳が萎縮し、それによってひき起こされる症状と考えられている。本人は幸せだと思っているのに、それが病気だというのは矛盾するようだが、数ある病気のなかにはそんな病気もある。
信用金庫はなぜ「金庫」と呼ばれるか
「銀行」という言葉は一説に、福地源一郎が『会社弁』(明治4年)のなかで、バンクの訳語として用いたのが始まりといわれている。日本の金融機関には、 いわゆる銀行(普通銀行)のほかに、中小企業を対象にした信用金庫というのがある。信用金庫の取り引きの中心は地域の中小会社や商店などだが、業務上は銀行と基本的には同じである。
それなのにどうして信用銀行ではなく、信用金庫という名前になったのか。信用金庫の前身は信用組合。それが「金庫」という名前になったのは昭和26年。同年6月に信用金庫法が公布され、はじめは「銀行」の銀をとって「銀庫」という案もあったらしい。だが結局は「金庫」に落ちついた。
「銀」よりも「金」のほうが人々の注目を得やすい。また地域の金融機関として銀行との違いを強調するためには、別の名前のほうがいい。そんなところから金庫という名が選ばれたという。
乗り物酔い
前の席の利点は前方のカーブが見えること。
曲がる方向に体を傾ければ脳が混乱しない
せっかくの旅行もバスなどの乗り物で酔ってしまうと、楽しい気分が台無しですよね。多くの場合、車を運転している人が酔うことはありません。
それは運転席が揺れないからではなく前の景色が見えるため。もうすぐカーブが来るということがわかるので、曲がるときにかかる遠心力に負けないよう、無意識のうちにカーブと同じ方向に体を傾けているのです。
そもそも乗り物酔いは、目から入る情報と体の感覚のズレにより、脳が混乱することで起こります。前方の景色が見えない席では、カーブが来るという準備のないまま、遠心力に振り回され、カーブとは逆の方向に体が傾くため、視覚情報とのズレが起こり、脳が混乱して乗り物酔いを起こします。
前が見えない席では、いっそ目をつぶるなどで視覚情報を遮断して、シートに深く座り、体や頚がカーブで傾かないようにするのも対策のひとつです。
便秘解消
食物繊維には2種類あり、便秘のタイプによっては逆効果なものも
便秘に効果があるとされる食物繊維には、ごぼうなどに含まれる「不溶性」と、海藻などに含まれる「水溶性」の2種類があります。
じつは便秘にも種類があり、多くは大腸の収縮が弱い「弛緩性便秘」。大腸が激しく収縮する「けいれん性便秘」もあります。弛緩性の場合、水に溶けない不溶性食物繊維は、腸壁を刺激したり便のかさを増やしてくれるので、効果的です。ところが、けいれん性便秘は大腸がより刺激され、かえって調子が悪くなってしまいます。
食物繊維を1週間のむ実験をしたところ、5人中3人が便秘解消、1人は変化なし、1人はおなかの調子が悪くなるという結果に。5人がのんだのは不溶性の食物繊維、セルロースだったため、けいれん性便秘の人には効果が出なかったというわけです。けいれん性便秘には水溶性食物繊維が有効です。
2.どうして消しゴムで字が消えるのか
紙の上に鉛筆で書いた字を消しゴムでこすると消える。そんなことは誰でも知っている。
ではどうして消えるのか。そのワケを説明できる人は、意外と少ないはずである。あなたは説明できるだろうか。
紙の表面は一見、つるつるに見える。さわっても引っかかりはない。だが実際は凸凹がある。鉛筆で紙の上に書いた字は、紙の凸凹に鉛筆の芯の細かい粒子が引っかかったものである。だから字を消すには、その細かい粒子を取りのぞき、さらにそれが再び紙に戻らないように包みこむことができればいいわけである。
その両方が可能なのが消しゴムである。消しゴムは紙の凸凹に引っかかった粒子を取りのぞくとともに、それを中に丸めこんでしまうので、字をきれいに消すことができる。
ちなみに、鉛筆で書いた字を消すのにゴムが使えることを発見したのは、18世紀のイギリスの化学者、プリーストリーである。彼はいろいろな発見をしているが、酸素の発見もそのひとつである。
ビタミンB1、B2、B6、B12と数字が飛ぶわけ
ビタミンBには、B1、B2、B6、B12の四種類がある。ビタミンAやビタミンCは1種類しかないのに、どうしてビタミンBは種類が多
いのか。それにB2、B6、B12と、数字が飛び飛びなのはなぜなのか。
明治43年、鈴木梅太郎が米糠からアベリ酸(オリザニン)の抽出に成功した。これがビタミンB (B1)の世界初の発見であり、のちにビタミンB1と名づけられた。その後、ビタミンの発見ブームが起こった。その際、水溶性で、炭水化物の代謝に関係のあるものはB群に入れられたため、発見にしたがってB2、B3、B4……と番号がつけられていった。
ところが、 のちにそれらの中には人間には必要ないものがあることが分かり、除かれた。
その結果、B1、B2、B6、B12の4種類になった。
B1以降にもB群のビタミンは発見されているが、それらはB1、B2などと番号では呼ばずに、ナイアシン、パントテン酸など化学名で呼んでいる。
左利きはどうして男性に多いのか
左利きという人は、女性より男性のほうに多い。なぜ男性に左利きが多いのか。それは脳の性分化と関係があるらしい。じつは人間の脳も男性と女性とでは異なる。しかも、その相違はすでに胎児のころに生じている。
胎児はすべて、原型は女性である。それに男性ホルモンが作用すると、男性になる。つまり、男性は女性から枝分かれして男性になる。胎児が男の子の場合、男性ホルモンによって″男の脳″ができるわけだが、女性の場合には、そのまま成長して″女の脳″ができる。
ところで、その男性ホルモンだが、それはどうも左脳の発育を抑制する働きがあるらしい。人間の右脳は左半身の運動や感覚をつかさどり、左脳は右半身をつかさどっている。
すなわち脳と体はクロスしている。
左脳の発育が抑制されれば、左脳と結びついている右手の発達も遅れることになる。その結果、男性の左利きが多くなるのだろうと考えられている。
たたみのダニ退治
光を嫌うので、部屋を暗くしておびきよせ、掃除機で一気に吸い込む!
虫は明るいところに集まってくるから、ダニもきっと…と思いきや、じつはその逆。ダニは光が苦手なのです。
実験で、アレルギーの原因となるヒョウヒダニを暗い部屋に入れてライトを当ててみたところ、光から逃げ出しました。これは光を嫌う背光性という習性によるものです。
まわりが明るい日中、ダニは畳の内部に潜んでいますが、暗くなるとエサを求めて表面に出てきます。そのため、畳の部屋に掃除機をかけるときは、いったん部屋を暗くするのがコツ。そうしてダニを表面におびきよせてから掃除機をかければ、ダニをたくさん捕獲することができるのです。
実験で、1時間部屋を暗くしてから掃除機をかけると、ダニの捕獲数は1.8倍にアップしました。ただし、暗いときが狙い目だからといって、夜間に掃除機をかけると近所迷惑になる恐れがあるので気をつけてください。
紅茶のティーバッグ
お湯のあとにティーバッグを入れるとジャンピングが起こってうまみが出やすい
紅茶のおいしさのカギとなるのが、茶葉のジャンピングです。ジャンピングとは、茶葉がお湯の中で浮いたり沈んだりすること。これにより、丸まった茶葉が開きやすくなり、うまみがお湯に溶け出します。ジャンピングは、ポットでいれるときだけの話ではありません。ティーバッグでいれても起こります。
カップにティーバッグを先に入れると、お湯を注いだ勢いで袋がひしゃげたり、ひっくり返って、茶葉のジャンピングを妨げてしまいます。ティーバッグはお湯のあとに入れてください。ジャンピングは茶葉がお湯の対流に乗ることで起こります。
ティーバッグの場合、カップが浅いとお湯が対流しにくいので、深めのものがおすすめです。また、完全に沸騰させると、水の中に溶けている酸素の量が少なくなるため気泡が茶葉につかず、ジャンピングが起こりません。適温は95℃。水面が泡ばかりになる前の状態がベストです。
3.自分で車を運転するとなぜ酔わないのか
車に乗ると、いわゆる乗りもの酔いをすることがある。しかし自分で車を運転しているときには酔ったりすることはまずない。それは一体なぜなのか。
乗りものに酔うというのは、体のバランス感覚が乱されることによる。人間のバランス感覚は、耳の中にある前庭と呼ばれる器官と三半規管が受け持っている。
その二つの器官、そして目や体の部位が感じとった情報が自律神経を介して脳に伝えられ、そこから全身に指令が出て、バランスを保っている。
ところが日ごろあまり経験しないような動きが体に加わると、それが前庭や二半規管に作用し、異常な刺激となって自律神経に送られる。その結果、自律神経に失調をきたし、乗りもの酔いが起きてしまう。
けれども、自分で車を運転していると、次にどのような動きや揺れがあるかが予測できるので、体がその動揺をうまく受け入れ、自律神経も正常に働く。だから酔わないというわけである。
ギョウザの形には何か意味があるのか
ギョウザ(餃子)は今日では日本でもよく食べられているが、もともとは中国料理で、中国語ではチャオズという。ギョウザという名はそのチャオズがなまったものである。ギョウザは小麦粉をこね、中に豚肉やネギなどを入れて蒸したもの(焼いたもの)だが、ふつう三日月のような形につくる。その形には何か意味があるのだろうか。
ギョウザの三日月のような形については、一説にお金の形を模したものだといわれている。中国にはかつて馬の蹄の形をしたコイン(銀貨)があった。いわゆる馬蹄銀と呼ばれるもので、この馬蹄銀がはじめて登場したのは宋の時代(960~1280)といわれており、清の時代(1644~1912)に至るまで使用された。
馬蹄銀は日常通貨ではなく、国内の大量取引や海外貿易の決済などに用いられたが、ギョウザの形はこの馬蹄銀をかたどったものだという説がある。
電話の「モシモシ」の由来とは~
電話が開通したのは明治23年(1890)
のことである。当時の電話は交換台(交換手)を呼びだし、相手につないでもらわなければならず、「オイオイ」と呼ぶと、交換手(男性交換手)も「オイオイ」と応えた。
その「オイオイ」がやがて「モシモシ」に変わる。「モシモシ」は「物申す」の「申し」からきているが、それが電話で使われるようになったきっかけについては二つの説がある。
一つは、電話を日本へ導入するにあたって当時の逓信省の役人がアメリカヘ研究に行った際、英語の「ハロー」に代わる言葉として考えつき、それが普及したという説。もう一つの説では、電話の発明者であるグラハム・ベルがハーバード大学で電話についての講義をしたとき、そこに出席していた日本人留学生がためしに電話を受けて発した最初の言葉が「モシモシ」で、それがきっかけになったと言われている。
座高測定のそもそもの目的とは~
学校では身体測定などの健康診断を行なう。かつてそれは身体検査といったが、今日では健康診断と呼ばれている。明治12年ころから、文部省に設立された体操伝習所で、体操の効果測定として身体検査を行なった。それは活力検査と呼ばれていたが、今日の身体検査(健康診断)のルーツである。
明治21年(1888)から官立学校では活力検査が行なわれるようになり、明治30年に活力検査は身体検査と改称された。
学校の身体測定では身長、体重、胸囲、そして座高を計る。ところが大人になると座高はまず計ったりしない。なぜ座高を計るのか。
身体検査で座高を計るようになったのは昭和10年代になってからだが、それは当時の健康に対する考え方にもとづく。
その頃は、腸などの内臓が詰まっている上半身がよく発達しているほど健康体だと考えられていた。そこで、内臓の発達を知るために座高を計ったのだ。現在から考えれば、おかしな話である。
「大名」がいれば「小名」もいた
「大名」という言葉は平安時代の末期から登場する。大名というからには、では小名もいたのかといえば、じつはちゃんといた。『平家物語』に「内侍には一門の源氏上座して、末座に大名小名なみゐたり」とあり、小名という言葉が見える。
平安時代末期から鎌倉時代において、自分が所有する土地、すなわち占有者がその名をつけた田地を名田といい、名田の占有者を名主といった。このうち名田を多く持っているものが大名主、少しもっているものが小名主。
そこから大名、小名という名が生まれた。中世になると名田に限らず、大きな所領を持つ領主(武士)を大名、小さな所領の領主を小名というようになる。
そして江戸時代には、一万石以上を領有する幕府直属の武士を大名、 一万石以上の大名の中で領地の少ないものを小名と称するようになった。このように小名なるものもちゃんと存在していたのである。
4.大坂の「坂」はどこにあったのか
大阪は昔は「大坂」と書いていた。「大阪」
と書くようになったのは明治時代になってからである。ところで、その「大坂」の「坂」はどこの坂のことをいったものなのか。
明応5年(1496)の蓮如の手紙に「摂州東成郡生玉之庄内大坂……」とあり、これが「大坂」という地名の文献上の初見とされている。それまでは「小坂」と書き、それを「おさか。おざか」と呼んでいたようである。
現在の大阪城があるところに、蓮如が開いた石山本願寺があった。この寺は天正8年(1580)に焼失したが、石山本願寺があった場所は上野台地の北端に位置し、東西方向に坂が多かった。
「大坂」という地名はそこから生まれたようである。すなわち「大坂」は、もともと石山本願寺のあたりをいう地名であった。
天正11年、豊臣秀吉が城(大坂城)を築き、その城の西側に城下町が形成されていくと、「大坂」はその町全体を指す地名となっていった。
消しゴムができる前は何を使っていたか
16世紀半ば、イギリスのカンバーランド州のボローデールの谷で黒鉛が発見された。それを木片にはさんで用いたのが、鉛筆(黒鉛鉛筆)の起源とされている。
1565年、スイスの学者グスナーが化石についての本を出版。その中に、黒鈴を木片にはさんだ鉛筆について記している。これが鉛筆についての最初の文献的記録である。消しゴムが登場したのはそれから200年後のこと。1770年、酸素の発児者として知られるイギリスの化学者プリーストリーがある日、ゴムで紙をこすると鉛筆の文字が消えることを知り、いわゆる消しゴムを作った。
これが消しゴムのルーツである。
それでは消しゴムが登場するまでのあいだ、人々はいったい鉛筆で書いた文字や図などをどんな方法で消したのか。手の指につばをつけて、こすって消した~ そんな方法で消した人もいたかもしれないが、鉛筆の文字消しにはもっぱらパンのくすが使われていた
5.アメリカのドル紙幣はなぜ緑色~
現在、日本では4種類の紙幣が発行されており、それぞれサイズ。刷色が異なる。他の国の紙幣もだいたいそうだが、例外もある。
アメリカのドル紙幣はすべて同一サイズで、どれも同じ色(緑色)で印刷されている。
もともとアメリカの紙幣は黒色で印刷され、偽造されないように、わずかに色がつけられていたが、それは容易に偽造できた。紙幣から黒インクをそのまま残して、色インクだけを簡単に消すことができたからである。ニセ札造りは色インクを消し、カメラで写し、それを複写し、その上から色の部分を重ね刷りして偽造した。
そこで偽造防止策として、アメリカン・バンク・ノート・カンパニーの創立者の一人、トレイシー・エドソンが黒インクごと消える色インクを考案した。その偽造防止用インクが緑色であった。
なぜ緑色が選ばれたのかは定かではないが、以来、アメリカのドル紙幣には緑色が用いられるようになり、今日でもなお緑色が使われている。
ボールの速度が最も速い球技とは~
ボール(球)を用いたスポーツでは、ボールの速度が試合の勝敗に大きく影響する。プロ野球の投手が投げるボールの速度はスピードガンによって測定され、テレビの画面で表示されるので誰でも知っている。では、球技の中でボールの速度がもっとも速いのは何かご存知だろうか。
それぞれトップレベルの選手によるボールの速度は、野球の投手の投球は最速150km前後、野球のホームランの打球は時速180km前後。テニスのサープは男性の場合、時速210~250km、卓球のスマッシュは時速100km前後、バレーボールのスパイクボールは時速180km前後、ゴルフのドライバーショットが時速250~270km。
もっとも速いのはバドミントンで、スマッシュの初速は時速300~350km。バドミントンのシャトルはボールではないが、それも一種のボールとみなせば、バドミントンがボールの速度のもっとも速い球技ということになる。
スピードガンが球速を測定する仕組み
ピッチャーの投げるボールの速度を測る、スピードガンと呼ばれる機械がある。この機械は速球を瞬時にして測定することができる。
スピードガンは一体どのようにしてボールの速度をとらえているのだろうか。
電車が近づくと高い青となり、遠ざかると低い音になる。これは音源の速度が青速に加算・減算された分、音の振動数(音波の周波数)が変化することによる。それをドップラー効果という。スピードガンはこのドップラー効果を利用したものである。
ピッチャーの投げたボールにスピードガンから電波を発し、ボールに当たり反射した電波をキャッチする。当てた電波の周波数と反射して戻ってくる電波の周波数は異なる。その差をもとに、スピードガンの中の機械がボールの速度を割りだし、表示する。
なお、ボールの速度をスピードガンで測るときには、ボールの進行方向の延長線上にスピードガンをセットして測らないと、正確な速度は得られない。
女房がいれば男房もいる~
妻のことを「女房」ともいう。女房の「房」は部屋のこと。平安時代、宮廷につかえた女官に与えられた一人住まいの部屋を「女房」といった。それが女房という言葉の語源である。のちに「女房」はそこに住む女官を意味するようになり、さらに女性一般を指すようになった。そして中世末には自分の妻を呼ぶものに変わっていった。
今日では「男房」という言葉はほとんど用いられていないが、「女房」に対して「男房」もあった。天皇の側近に仕え、天皇の日常生活の諸事をつかさどった蔵人と呼ばれる者たちが住む部屋を「男房」といい、その者たちのことも男房といった。それが転じて、貴人のそばにつかえる男子を意味するようになった。
「女房」は妻の意味にも用いられるようになったのに対し、「男房」はそれ以上の意味には用いられず、大のことを男房と呼んだりすることはなかった。
「フリーマーケット」の″フリー″とは~
不用の品を公園などに持ち寄って売買したり、交換したりすることがよく行なわれている。それを「フリーマーケット」という。その「フリー」とは、どういう意味かお分かりだろうか。フリーマーケットでは誰もが自由に品物を売ったり、交換したりすることができる。そこで「フリー」とは「自由」を意味するや0のことだと思っている人がいる。それは誤解である。
フリーマーケットを英語で書けばfleamarket。freeではなくfleaであり、「蚤」のこと。古物市のことを「蚤の市」という。その「蚤の市」という言葉はフランス語の「マルシェ・オー・ピュス」(marcheaux
puces蚤の市という意味)からきている。
フランスのパリで開かれていた古物市が、いつごろからか「蚤の市」と呼ばれるようになった。その「蚤の市」を英語に訳したのが「フリーマーケット」であり、その「フリー」は「蚤」という意味である。
6.「ポン酢」の″ポン″とは何の意味~
酢使い上手は料理上手だとか。酢には米酢、粕酢、穀物酢、ポン酢などがあり、最近ではリンゴや柿などをベースにした果実酢もある。
ところでポン酢だが、その「ポン」とはどういう意味なのか。
ポン酢はダイダイ(橙)の果実から絞った汁で、ダイダイ酢である。それがどうしてポン酢なのか。じつはその「ポン」はオランダ語のポンス(pons)に出来する。
ポンスとはダイダイのしぼり汁のことであり、ワインやブランデーにレモン汁・砂糖・卵・ソーダなどを加えて作られた飲み物のこともポンスという。ポンス(ダイダイのしぼり汁)はすっぱくて酢のかわりとなり、また語尾の「ス」が「酢」と意味が通じるところから「ス」に「酢」の字をあて、ポン酢と呼ぶようになったというわけである。
なお「ポンジュース」というミカンジュースがあるが、この「ポン」は「ニッポン(日本) 一」の「ポン」という意味だそうである。
馬は3本足で立ったまま眠る
馬について、あなたはどれだけご存知だろ
うか。
馬は人間と親しい動物の一つだが、彼らの行動について知っている人は意外と少ない。
たとえば睡眠。馬は1日にどれくらい眠るのかお分かりだろうか。馬の睡眠時間は約4時間。しかもそれは合計した時間で、彼らはこま切れに眠る。4時間のうち、3時間前後は浅い眠りで、熟睡するのは約1時間。
また馬は立ったままで眠る。その際、馬が3本足で立っていることは意外と知られていない。馬はもちろん4本の足を持っている。
ところが立って眠っているときには、いずれか1本の足はいつも膝やつなぎ(足首)のあたりを軽く曲げて休ませ、3本の足で体重を支えている。
横になったり、腹ばいになって眠ることもあるが、そうして眠るのは1時間程度。立って眠る時間のほうが長い。横になって眠るのは深い眠りのときで、馬にとっては横になって眠るよりも立って眠ったほうが楽なようである。
7.誕生日が一致する確率はどれくらいか
コインを10回投げて、表か裏が4回連続して出たら1万円もらえる。しかし出なかったら1万円とられる。そんなギャンブルにあなたは参加したいと思うだろうか。たぶん参加しないだろう。4回連続して出るなんてことは、そうめったにないと考えるからである。
ところが4回連続して出る確率は意外に高く47%にもなる。パーティなどで23人の出席者があったとしよう。そのなかで誕生日が一組でも一致する確率はどれくらいかお分かりだろうか。先のコインと同様に、23人ぐらいで誕生日が同じなんてことは、ほとんどありえないと思うにちがいない。ところが確率的にいえば、一致する可能性は半々、つまり50%もある。逆にいえば全員の誕生日が違っている可能性は半分しかない。
23人いれば一致する確率は約50%だが、それより少なければ確率は低くなり、多ければ高くなる。もし40人いれば、誕生日が一致する確率は90%にもなる