第一印象で80%が決まるので印象を良くするためのアドバイス
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1.第一印象は正しいのか?
では、対人の場合、私たちの「好き・嫌い」はどう作用しているのでしょうか。初対面の人問を記憶・観察・評価する時、私たちはまず体型や顔、服装など目に見える「物」を見ます。
そして、表情やしぐさといった「動くもの」を見て、風体などを記憶します。出会った場所、何かを渡した・渡されたなどの行動を加味しつつ、名刺からは組織的・社会的立場、姓名からは家柄を連想します。
さらに声の質や大きさ、体臭、整髪料の匂いや香りなどを統合し、心像を組み立て原始的な第一印象を形成します。この一連の作業を通じて短期記憶に入れる時間は、わずか7~10秒。
次に、話の内容や話し方などを材料にし、1分程度でいわゆる第一印象を完成させます。同時に自分に似ている・似ていない、誰々に似ているという印象の「抽象化」を行い、相手の個性や自分との距離(心理) の測定を行います。
驚くことに、ここまででたったの約5分程度しかかかりません。しかし、相手の印象の80%が完成してしまうのです。
後は相手の個性や自分の価値観のすべてを動員し、その人に対する「心像修正」が行われ、20分後にはほぼ96%の印象を固定します。その心像は顕在意識から潜在意識へと情報が移送され定着します。その後の再会では4%
程度のみ修正が行われ、99%まで限りなく固定化が進みます。
これが、人間が人間を好きになったり、嫌いになったりする「感情」や「情動反応」の背景です。一度形成され、固定された心像(虚像と言っても過言ではない)は、亡霊のように私たちを時に気楽にさせ、時に苦しめることになるのです。
個性があるからややこしい?
例えば、「優しい人」という言葉は「甘い人」とも「親切な人」という意味にもなります。「強い人」は「強引な人」とも「頼りになる人」とも受け取ることができます。このように送り手と受け手で言葉の意味が違ってくるのです。つまり「言葉の意味」が共有できないということになります。
そもそも「好き・嫌い」という情動・感情は、非常に不安定で変化しやすい気分であると言えます。もし、初対面で気分の変化が起これば、相手に対し数秒で気分が変わり、時間の経過とともに助長強化されるのです。
さらに、「言葉の意味」が共有できなければ意思の疎通は不可能となり、お互いに不信・不快の気分が生まれ、危険視が芽生えます。結果、「嫌いな人」、自分にとって「危ない人」というラベルが貼られることになるのです。
そして一度ラベルが貼られると、ピグマリオン効果(強い願望は実現する方向に誘導される)が逆に作用し、悪いところに注目してそれを強化するような無意識の誘導が行われ「嫌い」から「存在すら許せない」という激情に変化していきます。
このようにして「取り扱いが難しい人」という意識が芽生えてくるのです。しかし、実際には個性と同じように、人によって言葉の意味合いが違うだけで、本当に「取り扱いが難しい人」は非常に少ないと言えます。
また人間には「無くて7癖、あって47癖」と言われるように「行動の癖」があります。それと同様に「考え方の癖」というものがあるのです。気質・性格・人格のように、それぞれの人によって感じ方が異なるのです。ある人は、「あの人は指導的だ」と言い、ある人は「あの人は独善的」だと言ったりします。見る人にも、見られる人にも個性があるからと言えます。
では、個性とは一体何なのでしょう。それは、心や意識の、「働き」や「機能」に対してつけられた名前、つまり「機能名」なのです。ご存知の方も多いと思いますが、私たちの精神活動をつかさどっているのは、大脳皮質です。
新皮質は知性や理性をつかさどり、辺縁系は動物として本能が作用するということになります。しかし、動物的部分は、私たちの生活の中で極めて大きな意味を持っています。心が肉体の一部である、という認識を思い出せば、深層の無意識が表層の意識など一挙にひっくり返す力を備えていることは予測できるでしょう。
好き・嫌い(快・不快) を制御している辺縁系は「言葉」が通じない脳ということを私たちは理解しておく必要があります。
相手に不潔感を与えてしまうと、その印象がどこまでもつきまとう。さっぱりと小ぎれいにを心がける。
仕事の邪魔にならないもの オーソドックスなものを基本にコーディネートする。色も落ち着いた感じで。
周囲の雰囲気を損ねないもの 服装だけがひとり歩きしているような流行最先端、個性派は慎むのがベター。
コーディネートのコツ
ビジネススーツは、紺、グレーを中心に、黒を加えた3色が基本色となっている。この3着のスーツを持っていれば、ビジネス上ではどの場面でも問題はない。おしゃれをする際は、同色系で統一するのが最もまとめやすい。その次の段階ではネクタイにアクセントを置く。さらに、ベルトや靴、バッグなどの小物で演出するとよい。
スーツのポケットの活用仕立てによっても違うが、スーツには意外にポケットが多い。これを活用する習慣をつければ、忘れ物防止策になる。
むろん、ポケットは装飾性が高いものなので、あまりいろいろと詰め込むと見栄えが悪い。
名刺入れ、定期入れ、ペン、ハンカチの4つぐらいに絞って、定位置に収まっているか毎朝点検するとよい。特に名刺入れはうっかり忘れることがあるので、この習慣をつけるとよい。
服装のチェックポイント
ロッカーに用意しておこう
替えのワイシャツ 1枚用意しておけば、いざというとき安心だ。
黒のネクタイ…社内で、お得意先で、いついかなるとき不幸が生じるかもしれない。
トラベルキット…仕事の関係で帰れない場合もある。靴みがきセット 置き傘も備えておくとよい。
スーツのボタンのかけ方
シングルの2つボタンは上だけをかける。下は飾り。3つボタンでは、第一ボタンが襟の折り目に重なるような形でついていれば、第ニボタンのみをかける。座ったときはボタンをはずし、立ったときはボタンを必ずかける。
ダークスーツはフケに用心
色の濃いスーツの場合、肩の回りにフケが落ちていると非常に目立つ。服装と同時に髪も清潔に。
胸のハンカチ
通常、胸にハンカチを入れる必要はない。入れる場合は白、またはネクタイと対のものか同系色のものを、さりげなく入れておく。